1/1ページ目 快が泣いていると、担当医がきた。 『快君、順調に回復してるよ!お母さんは、よく君や爽君の話を先生にしてたんだよ。爽快なんだろ?2人で…』って言うと『何が爽快だ!母さんの話なんかするな!右手が…右手が… 俺の右手。それに嘘つきやがって!おねしょだけじゃなく、おもらしもしたんだ…これじゃぁ、爽快どこかか、幼稚園児か赤ちゃんだよ!こんなじゃ学校にもいけない…』って泣きじゃくった。 そして… それ以降快が話すことは、なくなった… 退院の日も、爽にも、父親にも、死んだよう目をして話さない… もちろん、学校にも行かずただ一人部屋で何もしない日が続いた。 ただ空だけを見ていた。食器は箸からスプーンに変わり、字は、まさに読めないぐらいひどく、おむつが取れることも、もちろんない… もちろん父親も障害の説明をした。右手は、リハビリで治ること、そして排泄に関しては、治る見込みがないことを… 快はリハビリに連れて行くが座るのみ。話さず、握る等のリハビリもせず、ただ座るのみ…爽が『帰ろうか?』って言うまで… おむつに関しては嫌がることはあるが、文句も言わず時折涙を流すだけ。それも最近減ってきた。 そんな快に爽は毎日かかさず、話かけた。 朝カーテンをあけ、『おぉ〜いい天気!快?おはよう!いい天気だぜ!』って布団をめくる。黙る快に『快?おむつ替えようか?嫌か?』って聞いて泣かないのを確認して、爽はズボンをずらした。テープを外してぐちゃぐちゃのおむつを抜こうとした時、少し恥ずかしそうにした顔を爽は見逃さなかった。 『快?嫌なら、嫌と言ってくれよ!言っていいんだぜ!赤ちゃんとか思ってねぇし!お前は快!俺たち爽快だろ?快、必ず俺が昔のお前に戻してやる!諦めないからな!俺は…』っていいながら、優しくチンチンを拭いて足を上げて、パウダーをふる。真っ白なった下半身に新しいおむつを敷きこむ前に『快?こっち穿くか?』ってイシシと笑いながら聞く。 手にあるのは、ボクサーパンツ。 『今日は父さんいないし、帰らないしさ!今日は日曜だしさ!穿いていいぞ!おもらしなんか気にするな!』と言っても、何も言わない。快。 『じゃぁ穿かせてやるよ!』と穿かせようとしたら、快が初めて怒った。 と言っても言葉でなく、足を通すのを拒んだのだ。 『快ごめん!嫌だよな!穿けよ!自分で…手伝うし…と言っても穿こうとしない快。爽は『おむつにするぞ!』って言うと、おむつBOXから、『どれがいい?』と聞いた。快は体が小さいから赤ちゃんおむつなんだ。ムーニーからパンパース、メリーズ、ムーニーマンマミーポコ、等々パンツタイプテープタイプ共にたくさんあるから…。 快は何も言わないからムーニーマンを取り足を通してやると左手でゆっくりあげた。と言っても時間はかかるし…ズボンも快のペースに合わせて、手伝ってやらないといけない。 俺はどうしたらいいかわからない… 話かけても会話ないし… 俺が代わってやれたら…と何度も思った。 快は何を思っているんだろう… 恨んでるんだろうな…俺を… 目は相変わらず元気ないし… そんな時…俺は…快の変化に気付いた… 飯を作り一緒に風呂に入ろうと誘おうとして部屋を そっと覗くと… やっぱあいつ… そうか… よ〜し!よ〜し!いいぞ!快は死んでねぇ!あいつ昔の目をできるんじゃん!!でも何をしてるんだ? まぁいい!よっしゃぁ〜!って、俺は天にも舞い上がる気持ちなった。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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