1/7ページ目 その昔、蓬莱の国からやって来たという一行が、現在の小浜に立ち寄ったという。 そんな時、その長者さまは病弱な娘の身を案じていました。 一行はお世話になったお礼にと、長者さまに肉を手渡します。 それは、とても良い妙薬になるということでした。 長者さまは、早速娘に食べさせました。 すると娘の顔は白玉のように美しくなり、その知恵は万人に優るようになりました。 そしてこの娘は、何十年経っても二十歳くらいの若々しい姿のままであったといいます。 この娘が口にした妙薬になるという肉は、人魚の肉だったそうです。 人魚の肉を食べると不老不死になるという伝説が残っています。 伝説の通り娘は、病気どころか死ぬこともかなわぬ身になってしまったのでした。 そしてこの娘は百二歳の時に出家し、尼僧になった。 尼僧になった娘は、小浜を出て全国を行脚して回ったそうです。 ある時、尼僧になった娘は小浜へと戻ります。しかし、死ねないことほど辛く悲しいことはなく、この世に生き続けることに耐え兼ねて、とうとう海岸近くの岩穴に入ります。 そして、岩穴に入る前に椿を植え、人々にこう告げたそうです。 「この椿が枯れたら…。この椿が枯れたなら、私が安らかな眠りについたと思ってください。」と…。 この時 「たのみなば命のほどやながからんいわまのしずくつきぬかぎりに」 尽きることのない命のやるせなさを伝える悲しい歌を詠んだといいます。 この岩穴に入るまでに、八百歳まで生きたという伝説から『八百比丘尼』と呼ばれるようになったという。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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