2/13ページ目 ネッシーの存在は、いつごろから噂されるようになったのか。正確なところはわからないが、かなり古いことは間違いない。記録に残っているものとしては、今からざっと1500年ほど前の紀元565年、修道士コロンバの事件がある。 ネス湖の湖畔には古い修道院が一軒あり、その壁にネッシーを描いたものと思われるレリーフが残っている。修道院の記録によれば、当時、ネス湖には「ウォーターホース」と呼ばれる魔物が棲んでおり、これを聖コロンバが祈りの力によって退散させたという。 なんでも、あるとき村人ふたりがネス湖を船で渡ろうとしたところ、突然、湖面が異様に波立ち、水しぶきとともに、水中から巨大なヘビのような怪物が現れた。その姿は、まさに伝説のドラゴンそのものだった。恐怖にかられた村人は、一目散に逃げようとするが、怪物は船を追いかけてくる。 異常な騒ぎに、岸辺の村人たちも集まってきたが、なす術がない。やがて、怪物は船に追いつくと、そこにいた村人ひとりに食らいついた。体は引き裂かれ、男は死んだ。怪物は獲物を口にしたまま湖の中へと姿を消した。 しばらくして、遺体の一部は岸辺に流れ着き、哀れに思った村人たちは埋葬の準備を始めた。そこへ、アイルランドの宣教師だった聖コロンバが出くわした。 事情を知った聖コロンバは意を決すると、従者のひとりに湖の向こう岸まで泳ぐように命じた。聖コロンバに絶大な信頼をおいていた従者は、命じられたとおり、湖を渡りはじめた。すると、その水音に気づいた怪物は再び姿を現し、従者に向かって突き進んできた。それを見た聖コロンバはもっていた十字架を高く掲げると、怪物に向かって絶叫。イエス・キリストの御名によって、湖底に去るように命じた。神の力に恐れをなした怪物は、そのまま湖底へと姿を隠したという。 以上が、ネス湖の怪物に関する「聖コロンバ伝」のあらましである。キリスト教の物語にありがちな英雄譚ではあるが、状況から考えて、実際に起こった事件が根底にあるものと思われる。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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