2/11ページ目 分類 ニホンオオカミは、同じく絶滅種である北海道に生育していたエゾオオカミとは、別亜種であるとして区別される。 エゾオオカミは大陸のハイイロオオカミの別亜種とされているが、ニホンオオカミをハイイロオオカミの亜種とするか別種にするかは意見が分かれており、別亜種説が多数派であるものの定説にはなっていない。 別亜種説 ニホンオオカミが大陸のハイイロオオカミと分岐したのは日本列島が大陸と別れた約17万年前とされているが、一般に種が分岐するには数百万年という期間を要し、また生態学的、地理的特徴においても種として分岐するほどの差異が見られないことから、同種の別亜種であるとする説。 別種説 ニホンオオカミを記載したテミンクによると、ニホンオオカミはハイイロオオカミと別種であるという見解である。 また、ニホンオオカミの頭骨を研究していた今泉吉典も頭骨に6ヵ所の相違点があり、独立種と分類すべきとしている。このように大陸産のハイイロオオカミの亜種ではなく、Canis hodophilax として独立種であるとすることもある。 さらに、岐阜大学教授の石黒直隆によりニホンオオカミの骨からDNAが取りだされて調査された結果として、大陸のオオカミとも犬とも遺伝的に異なる系統であることが確かめられ、この論文は、2009年度の日本動物学会誌11月号に発表された。石黒教授は朝日新聞のインタビューに、「ニホンオオカミは限られた遺伝子集団であり、日本列島で孤立化した種」、「ニホンオオカミの起源となったオオカミもすでに絶滅しているのかもしれないが、探し出したい」旨のコメントを残している。 ヤマイヌとオオカミ 「ニホンオオカミ」という呼び名は、明治になって現れたものである。 日本では古来から、ヤマイヌ(豺、山犬)、オオカミ(狼)と呼ばれるイヌ科の野生動物がいるとされていて、説話や絵画などに登場している。これらは、同じものとされることもあったが、江戸時代ごろから、別であると明記された文献も現れた。ヤマイヌは小さくオオカミは大きい、オオカミは信仰の対象となったがヤマイヌはならなかった、などの違いがあった。 このことについては、下記の通りいくつかの説がある。 ヤマイヌとオオカミは同種(同亜種)である。 ヤマイヌとオオカミは別種(別亜種)である。 ニホンオオカミはヤマイヌであり、オオカミは未記載である。 ニホンオオカミはオオカミであり、未記載である。Canis lupus hodophilaxはヤマイヌなので、ニホンオオカミではない。 ニホンオオカミはオオカミであり、Canis lupus hodophilaxは本当はオオカミだが、誤ってヤマイヌと記録された。真のヤマイヌは未記載である。 ニホンオオカミはヤマイヌであり、オオカミはニホンオオカミとイエイヌの雑種である。 ニホンオオカミはヤマイヌであり、オオカミは想像上の動物である。 シーボルトはオオカミとヤマイヌの両方を飼育していた。 現在は、ヤマイヌとオオカミは同種とする説が有力である。 なお、中国での漢字本来の意味では、豺はドール(アカオオカミ)、狼はタイリクオオカミで、混同されることはなかった。 現代では、「ヤマイヌ」は次の意味で使われることもある。 ヤマイヌが絶滅してしまうと、本来の意味が忘れ去られ、主に野犬を指す呼称として使用される様になった。 英語のwild dogの訳語として使われる。wild dogは、イエイヌ以外のイヌ亜科全般を指す(オオカミ類は除外することもある)。「ヤマネコ(wild cat)」でイエネコ以外の小型ネコ科全般を指すのと類似の語法である。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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