2005-09-15 【決めつけるということ】 くるりのライブビデオを見ていた。 これは去年の六月に日本武道館で行われたライブを収録したもので、実際にこのライブを見に行ったことでくるりにのめり込んだ私はこのビデオをとても楽しみにしていた。 あのときを思い出しながらくるりの演奏にひたっていると、なにやら何者かがこちらに向かってくる気配がした。 親父だった。 どうやらこれから保険屋と会うらしく、プランについて悩んでいるようで、自分の考えをいろいろ私に語り出した。 「７０まではいいんだけどよ、そこから８０まで毎月何万円も払ってられるか～？」 申し訳ないが私はくるりのビデオを堪能したかったので、親父の話をただただ「ふぅーん」と聞き流していた。 それでもしばらく保険トークを繰り広げていた親父だが、あまりの私の反応の無さに諦めたのか、それとも自分の言いたいことを全てはき出して満足したのかわからないが、話の矛先を変えてきた。 私がさっきからかぶりつくように見ている画面を覗き込み、こう言った。 「お！これどこですか？外国ですか？武道館ですか？」 「外国」と「武道館」という二択がすごい。 両国国技館ではだめだ。 代々木第一体育館でもだめだ。 武道館でなければならない。 武道館でないならば、それは日本の建物ではなく、外国のそれなのだ。 外国ならばどこでもいい。 どこの国であろうが、なんという建物であろうが、そんなことはどうでもいい。 ただもし日本のものであるならば、それは武道館でなければならないのだ。 「抽象的」と「具体的」を同時に満たそうとするこの質問は、せっかちな親父らしくて面白い。 「こいつら中学から（楽器を）やってんだろうな」 小学校や高校ではだめだ。 中学でなければならない。 大学なんてもってのほかだ。 ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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