【阿部勇樹】
1981年9月6日
千葉県市川市出身
98年8月5日､16節 G大阪戦で､16歳と333日でJﾘｰｸﾞﾃﾞﾋﾞｭｰ｡当時ﾁｰﾑﾒｲﾄであった山口智の記録を破り､J1最年少記録を打ち立てた｡この記録は02年にFC東京の呉章銀によって破られるが､日本人選手としては03年､広島の高萩洋次郎に､更にJ1の日本人選手としては04年､東京Vの森本貴幸に破られるまで最年少であった｡
ﾁｰﾑでは高校生の頃からﾄｯﾌﾟでﾌﾟﾚｰし99年には2種登録ながらﾘｰｸﾞ戦全試合に出場するという｢偉業｣も成し遂げた｡Jrﾕｰｽから同期の佐藤勇人と共にWﾎﾞﾗﾝﾁを組み常に注目されてきた｡
重要な大会の直前になると不運な怪我に見舞われることが続き､｢ｶﾞﾗｽの右足｣と揶揄される時期もあった｡世界大会へのﾃﾞﾋﾞｭｰはｱﾃﾈ五輪まで待たねばならなかった｡
ﾄﾙｼｴ監督時代､伸二のいたﾕｰｽ代表に飛び級召集されたが､当時ﾅｲｼﾞｪﾘｱで蔓延していた疫病の予防接種が間に合わないとの理由から参加できず､監督を大いに嘆かせた｡04年のｱﾃﾈ五輪では中心選手として活躍｡ｲﾀﾘｱ代表のｺﾞｰﾙに得意のFKを叩きこむなど大いにｱﾋﾟｰﾙした｡
05年ﾅﾋﾞｽｺｶｯﾌﾟでは､足を攣らせながらも責任重大なPK戦1本目を見事に決め､ﾁｰﾑを初ﾀｲﾄﾙの栄冠へと導いた｡同大会ではﾆｭｰﾋｰﾛｰ賞を受賞しているが､ﾌﾟﾛ入り通算8年目での受賞であった(因みに受賞時は24歳2ヵ月程であったが､受賞条件が｢大会開幕時点で｣満23歳以下の選手であったため､受賞の対象となった)｡ ﾌﾙ代表では､06年8月16日のｱｼﾞｱｶｯﾌﾟ予選､ｲｴﾒﾝ戦でCKに頭で合わせ､代表初得点を決めた｡ 07年1月12日､浦和への移籍が決まった。
本職は中盤の底｡ﾏｽｺﾐからは右足ｲﾝｻｲﾄﾞｷｯｸから繰り出される精度の高いFKばかりが取り上げられ､整った顔立ちからも一見華麗なﾌﾟﾚｰｽﾀｲﾙを連想させるが､実際はﾌｨｼﾞｶﾙが強いﾊｰﾄﾞﾜｰｶｰである｡特に相手ﾁｰﾑの攻撃の司令塔をﾏﾝﾂｰﾏﾝで消しにかかった時の徹底ぶりはまさに｢鬼｣｡その一方で､ｵｼﾑがｼﾞｪﾌの監督就任以降は積極的な攻撃参加から決定機に絡むﾌﾟﾚｰも増え､追い越す動きが特徴的なｼﾞｪﾌの美しい攻撃ｻｯｶｰの欠かせないﾋﾟｰｽとなっていった｡ｵｼﾑによって最も才覚を表した選手といえる｡ 現在の代表においては本職のﾎﾞﾗﾝﾁではなくCBとしてﾌﾟﾚｰし､堅実な対人ﾌﾟﾚｰとﾗｲﾝｺﾝﾄﾛｰﾙ､そしてｵｰﾊﾞｰﾗｯﾌﾟを好む闘莉王のﾌｫﾛｰをまめにこなす質的に安定したﾌﾟﾚｰでﾚｷﾞｭﾗｰの座を確保している｡
また､激しいﾌﾟﾚｰとは裏腹に､非常にﾌｪｱかつ紳士的な選手として知られ､審判の判定に異議を申し立てるどころか､相手ﾁｰﾑの選手がｷﾚた時の宥め役になることも多い｡
意外と涙脆く､最終節のｻﾎﾟｰﾀｰに向けるｷｬﾌﾟﾃﾝの挨拶では泣くのが恒例｡かつては自らのﾌﾟﾚｰに納得がいかなければﾛｯｶｰﾙｰﾑで悔し涙を流し､監督が交代するたびに涙を流していたとの話も｡ ﾌｧﾝの間では昼ﾄﾞﾗ好きでも有名｡因みに松井に｢早く海外ｸﾗﾌﾞに入れ｣といわれている｡ 千葉時代はｷｬﾌﾟﾃﾝではあったが､それ程統率力があるわけでは無かった為､ｻﾎﾟｰﾀｰｸﾞﾙｰﾌﾟ｢ぶりげｰと･ぐりだｰれ｣から｢名前だけのｷｬﾌﾟﾃﾝはいらない｣の中傷ﾀﾞﾝﾏｸを掲げられることも｡
所属ｸﾗﾌﾞ
富美浜FC市川FC-93年(市川市立富美浜小)
市原Jrﾕｰｽ94-96(市川市立福栄中)
市原ﾕｰｽ97-99(東京学館浦安高校)
市原00-06
浦和07年-
1998年と1999年は2種登録｡
代表歴･受賞歴
96ﾒﾆｺﾝ杯日本ｸﾗﾌﾞ日本ｸﾗﾌﾞJrﾕｰｽ東西対抗戦最優秀選手
97U-18日本ﾕｰｽ代表候補､日本ｸﾗﾌﾞﾕｰｽ選手権･優秀選手､国民体育大会出場[千葉県選抜]､ﾅｼｮﾅﾙﾄﾚｾﾝU-17最優秀選手
98U-19日本ﾕｰｽ代表､日本ｸﾗﾌﾞﾕｰｽ選手権準･優秀選手
99U-20日本ﾕｰｽ代表候補､U-22日本ﾕｰｽ代表(五輪代表)
00U-19日本ﾕｰｽ代表(ｱｼﾞｱﾕｰｽ大会)
01日本代表候補
02U-21日本ﾕｰｽ代表(ﾄｩｰﾛﾝ国際大会･ｱｼﾞｱ大会)､日韓W杯日本代表候補
03U-23日本ﾕｰｽ代表
04U-23日本五輪代表(ｱﾃﾈ五輪予選大会･ｱﾃﾈ五輪大会)
05年日本代表(親善試合､東ｱｼﾞｱ選手権)､ﾅﾋﾞｽｺｶｯﾌﾟﾆｭｰﾋｰﾛｰ賞､ﾍﾞｽﾄｲﾚﾌﾞﾝ
06年 日本代表(ｱｼﾞｱｶｯﾌﾟ予選)､ﾍﾞｽﾄｲﾚﾌﾞﾝ
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